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百貨店やデパートは、閉店や再編が続いています。
近年、商業エリアの競争激化やインターネット通販が浸透したのが大きな理由です。
実際に2024年1月14日に島根県内唯一のデパートの一畑百貨店が閉店するという残念なニュースを見た方もいるのではないでしょうか。
そのほか当店の店舗がある静岡県では、 2021年3月28日に静岡丸井が 51年間の営業終了し閉店しています。
百貨店やデパートでモノを買うときの楽しみは、店舗をでたときにブランド品の袋を渡されるときの高揚感と帰宅中の後ろめたい気持ちや罪悪感。こんなドキドキした気持ちを体感できることではないかと思います。そのようなエンターテイメント性は、店舗でショッピングしなくても楽しめる時代になり百貨店やデパートの存在価値が薄れてきたように感じます。
また必要なものを買うだけなら、はじめから通販を使う方が増えたのも百貨店やデパートが閉店や再編が続いている理由のひとつです。
そんな中、新宿伊勢丹が生き残りをかけた新たな挑戦をしていることを知り、当店スタッフメンバーが刺激を受けたできごとがあったのでご紹介します!
新宿伊勢丹メンズ館のバイヤーは、日本人の繊細で高度な職人技術により作られたモノを再評価し世界に発信するというプロジェクトを立ち上げました。
この唯一無二の価値が新たな需要を生むきっかけになるのではないかと思います。
今回は、百貨店やデパートの新たなプロジェクトの紹介と新宿伊勢丹の世界的なバイヤーから再評価された尾州生地の価値について解説します。
新宿伊勢丹は、メンズ服を買うなら最強・服好きにとっては最高の場所と言われています。
地下1階〜8階までのフロアに最先端のアパレルブランドと人気のセレクトショップが入っています。
そんな新宿伊勢丹が日本最大級のファッションビルだからこそ、常に新しい付加価値を提案しています。
今回は、新宿伊勢丹の世界的なバイヤーが日本の腕の立つテーラーや上質に仕立てられた生地を発掘し再評価するプロジェクトを立ち上げたことについてスポットを当てたいと思います。
新宿伊勢丹では、日本の職人技術を再確認し新たなプロジェクトとして、日本の尾州生地を世界に発信しています。
みなさんもご存じかもしれませんが世界三大毛織物産地は、イタリアのビエラとイギリスのハダースフィールドと日本の尾州だと言われています。
愛知県の一宮市を中心とする尾州地域は、日本一の毛織物生産地として発展を遂げてきました。
生地が完成するまでの数多くの工程(紡績、撚糸、染色、製織、編立、整理加工など)を地域の中で分業・協業しするほかにはないビジネススタイル。各工程のプロフェッショナル集団が良質な生地を作り上げていくことで日本国内の毛織物生産の約8割のシェアを誇っています。
最近では、尾州マークを作り生地をブランディングしたり、東京ガールズコレクション(TGC)がプロデュースしたファッションショーで尾州ウールの衣装でコラボするなどの情報発信から海外のハイブランド(シャネル・エルメス・クリスチャンディオールなど)から注文があり世界的な評価を受けています。
そんな日本の宝物である尾州生地を新宿伊勢丹の世界的なバイヤーが再評価し商品化しました。
尾州生地の特徴は、「モノづくりのストーリーを消費者に訴求することができる製品※」であることです。
※尾州マークの認証を取得条件のひとつ。
尾州地域は、むかしの尾張の国。その地域性から「努力家」「生真面目」「流行に敏感」であることから研究熱心で繊細な服職人が多くいます。生地が完成するまでの繊細な作業と尾張の国の職人が作り出す毛織物を目にすると、モノづくりのストーリーを感じることができます。
また各工程のプロフェッショナル集団であるからこそ、ひとつの工程に特化できる強みがあり国内のアパレルブランドや海外のハイブランド人気があります。
最高品質の生地を使った商品をお客様に届けるために、あえて手間や時間がかかることを惜しまない努力が商品を手にした時にモノづくりのストーリーとして感じることができるでしょう。
最近では最新式の織機を使って大量生産された生地よりも、手間と時間をかけて作られたヴィンテージファブリックが注目されています。
世界三大毛織物産地の尾州では、ヨーロッパで使われなくなった旧式の織機を買ってメンテナンスし使い続けているようです。
当時の生地を再現するために織屋が長い年月かけて研究しているので、昔ながらの風合いというよりも本物といってもいいのではないでしょうか。
海外から旧式の織機を取り寄せてヴィンテージな生地を作る。何十年~100年ほど前の生地を研究し当時のヴィンテージファブリックやデッドストック品を再現するなどの取り組みからヴィンテージファブリックの供給地になっています。
今後もここ日本で織られる尾州の生地が、ますます世界のハイブランドから注目されるのではないかと思います。
新宿伊勢丹の世界的バイヤーは、10年以上のも尾州の生地を作る機屋とコラボしてヴィンテージな風合いの生地を作ってこられたようです。
この商品開発した尾州の生地を各アパレルブランドに使ってスーツやコートを商品化を手掛けているようです。
これが、新宿伊勢丹メンズ館の唯一無二の強みになっているのかもしれません。
伊勢丹メンズ館は、2004年創業の織屋「タッカ」と商品化に取り組みました。織屋としての歴史は浅いが、いま注目されているヴィンテージな風合いの生地を作るのが得意とする企業です。
先ほどお伝えした、旧式の織機を取り寄せたのが織屋「タッカ」です。
あえて手間と時間がかかる織機を使ってでも、ヴィンテージな風合いの生地をつくるというモノ作りの熱いストーリーまで感じることができます。
旧式のションヘルや低速レピア織機で作った生地は、柔らかな風合いが出せるので貴重な企業とのコラボに魅力を感じます。
中伝毛織は、紡毛生地を得意とする機屋です。
伊勢丹メンズ館のスーツに着られるツイードということでコラボ企画で商品化しています。
ツイードは、チクチクしたタッチが着心地が悪い感じる方が多くいますが、中伝毛織の技術を駆使して特有のタッチは抑えています。また日本独自の感性から生まれたツイード生地のスーツはとても魅力的に感じます。
新宿伊勢丹の公式サイトでは、メンズ館5階のメンズテーラードクロージングでは尾州生地を使ってリッドテーラーが仕立てたコートが紹介されています。
コートの価格は、コート 319,000円(オーダー価格)で決して安くはないですが、バイヤーの企画力と職人の技術力の融合された商品に仕上がっていました。
今回は、百貨店やデパートの新たなプロジェクトに注目し新宿伊勢丹の世界的なバイヤーから再評価された尾州生地の価値について紹介しました。
ヨーロッパの使われなくなった織機を使って再現されたヴィンテージな風合いの生地は、新宿伊勢丹のコラボと尾州地域の方たちの手によって新しい価値を生んでいます。今後、ますます本物の生地を求める方に注目されていくと思います。
当店、礼服・喪服レンタルの相羽では、メンズオールシーズン礼服をリニューアルしました!いま世界でも注目されている尾州生地をメインに商品ラインナップを揃えました。
礼服レンタルしていただいたお客様に、尾州生地が完成するまでに一つ一つの工程に携わった方のモノづくりのストーリーや想いを感じていただけたら嬉しいです。ぜひ当店の礼服レンタルサービスもご利用ください。